極 東 茶 寮
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堕胎体験記
おろしたいことを告げると、医師は淡々として
予約を入れてくれました。

わたしが行っている産婦人科には、手術の設備がないので
ほかの開業医院を借りて、してもらうことにしました。

診察をした日から3日後に手術しました。

普通は朝から手術で、前夜から絶飲食らしいんですが
午後からの手術なので、朝から絶飲食しました。

つわりなのでおなかはすきませんでした。

朝から会社に行かず、家事をしっかりしていました。
とりあえず数日家事ができない気がして。

午後、どこかで昼食をすませてきた夫が
迎えに来てくれました。
(ちなみに、息子は朝から保育園です)

医院へ行くまでの間、夫はずっとわたしの手をにぎってくれました。

医院は、かなり古い建物でした。
設備も古そうな感じです。昭和半ばって感じ。

約束通りの時間に入って行きました。
言われるままにショーツを看護師にわたし
言われるままにおかねを払い
言われるままにトイレを済ませました。

診察室に入ったら、先生が来られました。
彼はわたしの顔色を見ただけで、
あとはそのまま「やりましょう」

いきなり手術です。

わたしは下ばきを脱いで、上半身だけ着衣で
内心台に上がりました。

看護師さん(2人ともおばあちゃんといっていい年齢)が
ふたりがかりで、左右の足に袋をかぶせ固定しました。
腕も固定。動くのは首だけ。

先生がやって来て、消毒をはじめました。
消毒薬がしみて痛い。

顔をしかめていると、何か注射されました。
それから、点滴。

点滴に麻酔が入ります。
「麻酔入ります」と、看護師の声。
今、麻酔入ったんや。
入ってるんや・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・。

(有名な、「数を数えて」とか一切なかったです。)

気づいたら内診台からおろされるところでした。
わたしは朦朧としているようでした。

「もう終わったん?」「もう終わったん?」
わたしの問いかけに、看護師はうるさそうに答えました。
「はいはい、もう終わりましたよ。」
「えらい早いな。」
こう言いながら「何が早いねん。寝とったのに。」と
心の中で自己ツッコミ。

大きいわたしのからだが重くてしんどかったのか
ばあさん看護師2名は、ふたりして、わたしを
シーツが敷いてあるたたみの部屋へ投げ込みました。
そして、上からふとんをかけて
ドアをガラガラとと閉めて、去っていきました。
薄暗い、たたみの部屋。ふとんが積んである、かびくさい部屋。

「何この説教部屋。」

そう思う間もなく、すごい吐き気。
顔を横にむけると、ちゃんと吐くためのトレーが置いてある!
一応、少し吐いてみましたが、絶食してたので出るはずもなく。
なぜか泣き叫びながら、空えづきを繰り返していました。

せん妄状態だったみたいです。

「○○ちゃーん!○○ちゃーん!」

わたしは夫の名前を大声で叫び、泣きわめいていました。
なんていうか、喪失感っていうか、寒かったです。

で、そんな状態なのに、もうひとりの冷静な自分が居て
「みっともないなぁ。ええ歳して泣き叫んだりして。」
「でもやっぱり、こういうとき叫ぶのは彼の名前やねんなぁ。」
「いつになったら落ち着くんやろ。」
と、冷静に、せん妄状態の自分を観察しているのでした。

でも、いつしか、また、意識を失いました。
いや、夢とうつつの間のような・・・
でも、日曜日の朝のまどろみのような気持ちのいいものではなく
どこまでも不愉快で、ちょっと悪夢っぽい感じでした。

30分経ったら、ばあさん看護師が現れました。
ぼんやりした頭で、術後の説明を聞きました。
タンポンを絶対取ること。薬を忘れず飲むこと。
それから、ぼんやりした頭でトイレに行きました。
血が・・・・意外と出てないなと思いました。

終わったらさっさと帰りました。
夫に電話したら「今から出る」

看護師は待ち合いで待てばいいと言ってくれましたが
待つのはいやでした。
おなかの大きい人がいるらしいのを聞いて、さらにつらくなり
飛び出すように、医院を出ました。

「もう二度とこの医院には来るまい。」

そう思いました。

ふらふらと歩きました。
しんどかったですが歩きました。
しんどかったのに歩道橋をわたって

ファミレスに入って彼を待つことにしました。

ホットケーキを頼んでみましたが
食べるのがかなり苦痛でした。
しばらくしたら夫が来て、彼もデザートを食べて
それから、保育園へ息子を迎えに行きました。

家に帰ってから、夫は、「ゆっくり寝てろ」と言い残し
息子を連れて会社に戻りました。

わたしは、自分のパジャマに着替え、自分のベッドで
ゆっくり休みました。

起きて少ししたら、ふたりが夕食を買って帰ってきていました。
3人で食事しました。これは普通に食べられました。

息子のお風呂は夫が入れてくれました。
寝かしつけも夫がしてくれました。

「俺はいたほうがいい?」と彼が聞いてくれました。
でも、仕事が気になるので「行ってくれたらいいよ。」
と答えました。
夫は「つらかったら電話してこい。」と言って
仕事に向かいました。

たしか、夫が帰ってくるのを待てずに寝たと思います。
麻酔があまり抜けていなくて
朝おきるまで、すっきりしなかった記憶があります。

堕胎体験記は、ここまでです。
一生忘れられない、そして、もう2度としたくない、体験です。

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この記事に対するコメント
ときちゃん・・・涙
思い出すのさえ辛い事を活字にするのは、もっと辛い事だと思っています。
私、ときちゃんの身にそのような事が起きているとは つゆ知らずに居たので、本当に驚き 辛い時、私は助けてもらったのに申し訳なく無力さを思い知りました。
ごめんなさい・・・・涙
【2007/05/11 00:56】 URL | レミ #oyCfJ0mM [ 編集]

いえいえ。ありがとう。
そのお言葉だけでも本当にうれしいのです。
ここに書くまでほとんど誰にも言ってなかったです。
あまりに苦しかったので・・・。

でも、書きました。
逆に、落ち着いたら書きたいと思っていたんです。
なんていうか、客観視したくて。
自戒の意味もありますね。

正直、放置気味のブログにこんな早くにレスをくれて、
本当にうれしく思っています。ありがとうね。
【2007/05/12 00:06】 URL | とき子 #SFo5/nok [ 編集]

管理人のみ閲覧できます
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【2007/05/24 02:03】 | # [ 編集]


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